あなたは「ウイルス」と聞いてどんなイメージですか?
- 小さいよくわからないもの?
- 体にわるいもの?
- ウヨウヨしてそうなもの?笑
人によってそのイメージはさまざまですが、今回は「あるウイルス」を使ってがんの治療を開始(しかも脳腫瘍です!)するという情報が入ったので、最新のがん治療についてまとめていきたいと思います。
そもそも、なぜこの記事を書こうとしたかというと
Yahooのニュースヘッドラインでがんの
「ウイルス治療」が治験開始になったという
ニュースをみたためです。
以下、引用。
岡山大病院は8日、脳腫瘍の一種で悪性度が高い「悪性神経膠腫」の患者に、がん抑制遺伝子をアデノウイルスに組み込んだ製剤を投与する遺伝子治療の治験を、6月にも始めると発表した。
現場の医師が主体となる医師主導治験として進め、安全性や有効性を調べる。手術や放射線療法、抗がん剤を使った化学療法による治療後に再発した患者らが対象で、最大18人に実施する。
病院によると、岡山大が発見したがん抑制遺伝子「REIC(レイク)」をアデノウイルスに組み込んだ製剤を、腫瘍に注入する。REICの力を高める工夫も施してある。
(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190508-00000155-kyodonews-soci)
職業柄、がんに関しての最新のニュースは目を通してますが、
治験段階とはいえ、ついに「人間」に対して
その効果をみるという段階にきたということに
驚きを感じました。
「ついにこの時がきたかぁ~」
という感じです。
(よくよく調べるとウイルス療法は2015年から治験は行われているようですw)
そもそも脳腫瘍って?
まずは情報の整理から。
(もう知ってるよ!という方は飛ばしてくださいw)
脳腫瘍といっても「良性」と「悪性」があります。
すごく簡単に言うと・・・
●「良性脳腫瘍」→転移の心配がすくないがん
●「悪性脳腫瘍」→いわゆる脳のがん
良性の脳腫瘍であれば、5年生存率は95%をこえるケースがおおく、手術をしてすべて摘出すれば再発はしないことの方が多いようです。
ただ手術で取り切れなかった腫瘍があると、そこから再発してしまう可能性もあります。
また、「悪性の脳腫瘍」ということになると、手足の動きや言語などの機能は温存して、手術で可能な範囲の悪性腫瘍を取り除いて、その後に放射線や抗がん剤などの「化学療法」を行うようです。
(参照:国立がん研究センター https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/brain_tumors/index.html)
ただ、いずれにしろ「脳」という人間の機能の大半をつかさどるメインの臓器なので、手術後の後遺症などが心配となります。
そこで、今回の治験の「ウイルス治療」の出番です。
がん細胞だけやっつけてくれるウイルスがある?
簡単に言うと、がん細胞だけやっつけてくれる「ウイルス」があるんです。
それだとざっくりしすぎなので、少し細かく言うと、そういう「ウイルス」を人が「作った」ということです。
なので、その人が作ったウイルス(遺伝子を操作したウイルス)を使って脳のがんに関してどれくらい効果があるか検証したい、、、ということで治験が行われます。
今までは「ウイルス療法」と言えば、よく口の周りとかにできる「ヘルペス」のウイルスを遺伝子操作した「ヘルペスウイルス」を使うケースが多かったのですが、今回の治験では「アデノウイルス」の遺伝子を組み替えて、がん治療に応用したようです。
いずれにしろ、「ウイルス療法」というのは、
がん細胞に感染させたウイルスが増えることによって直接がん細胞を破壊する手法
(引用:日本医療研究開発機構https://www.amed.go.jp/news/release_20190213.html)
ということなので、簡単に言うと、先ほど言ったように
がん細胞をやっつけてくれるウイルスがある
という理解でいいかと。
(厳密には違うと思いますが、ここでは小学4年生でもわかるように伝えているのでご了承ください)
イメージ図でいうと、以下です。

がんのウイルス療法とは? (出典:https://www.amed.go.jp/news/release_20190213.html)
左の図は、ウイルスを「感染」させて、「がん細胞のみ」で増殖を繰り返し、そのままそのがん細胞を破壊するということを表しています。
一方右の図は、そのウイルスは正常な細胞では、増殖しないため正常な細胞には害はない、ということを表しています。
なので、ウイルス療法では、遺伝子工学技術を用いて「遺伝子」を組み替えることによってがん細胞だけでよく増えてがん細胞をやっつけてくれる、一方で、正常な細胞では「何もしない」という治療です。
ただ、完全に副作用がないというわけではなく、どんな副作用があるのかを治験をすることによって確認している段階です。
で、ウイルス療法でがんは治るの?
現在、がん治療の効果をはかる方法として「5年生存率」があります。
ただ、「治験」の段階として「5年生存率」を計測するには、それだけ新薬として世の中に出回るまで時間がかかってしまいます。
なので、治験の場合は「1年生存割合」というのがあります。
すでに治験が終了しているヘルペスウイルスをつかった治験(https://www.amed.go.jp/news/release_20190213.html)では、
ナント!1年生存率は92.3%(12/13名)
だそうです。
三大治療をした場合だと1年生存率は15%なので、
単純計算すると6倍の効果があるといいかもしれません。
いずれにしろ、その効果はかなりそうです。
今回の治験の対象の範囲は?
さて、話を戻しましてニュースになっていた「アデノウイルス」を使った「悪性脳腫瘍」の治験の受けられる方に関してです。
冒頭の引用でも書きましたが、「アデノウイルス」による治療自体は現在は「治験」の段階です。
なので、「これから」がん治療をする方は基本は受けられません。
なぜなら、最初は三大治療(手術・放射線・抗がん剤)を組み合わせて治療するのががんの治療ガイドラインにあるからです。
しかもウイルス療法は現段階では「脳腫瘍(脳のがん)」に限っているので、それ以外の部位では治験の対象外です。
さらに、悪性の脳腫瘍といっても、がんの三大治療(手術や放射線療法、抗がん剤を使った化学療法)をして、それでも再発してしまった患者が対象です。
ただ、脳腫瘍ですべての治療はした・・・。もう手の施しようがない・・・・。
という方は治験の対象になるかもしれません(それは主治医の先生の判断になるかと。)
いずれにしろ、もう手の施しようのない脳腫瘍の患者さんやそのご家族からしたら、このウイルス療法は一筋の光になるかもしれません。
今回このウイルス療法に関しては最大で18名に行うようなので、今後のその被験者の人数が増えて、効果が実証されれば、実用化も近いかもしれません。
体の負担の大きい「抗がん剤」などは投与しなくても、ウイルス療法によって体の負担は少なく、がんが破壊できる時代がもうすぐそこまで来ている、そう実感できるニュースでした。
まとめ
今回は、がんの最新治療のひとつ「ウイルス療法」について簡単にまとめました。
現在のがんの治療は3つの治療(手術・放射線・抗がん剤)を組み合わせて行う治療がメインです。
ただ、脳にできてしまったがんにかんしては、術後の後遺症が心配となるため従来にかわる治療の研究がすすめられてきました。
それが、今回まとめた「ウイルス療法」によって従来の治療より大きく生存率が高いという治験結果(一年生存率15%→92.3%)となっていました。
その「ウイルス療法」の新しいウイルスとして「アデノウイルス」の治験が開始となることが決まりました。
今後の結果にこれからも注目していきたいと思います。
患者さんやその家族にとって救いとなる治療になるかもしれない、そんなニュースだと感じました。
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